2015年11月26日木曜日

韓国カトリック大学校の招聘教授へ就任ー植村隆さん



韓国カトリック大学校(THE CATHOLIC UNIVERSITY OF KOREA)
(韓国・ソウル)

植村隆さんは、韓国ソウルカトリック大学校の招聘教授へ就任されることになりました。
11月26日(木)午前、北星学園大学で行われた記者会見での田村学長、植村隆さんの報告を抜粋し、以下にご紹介します。また、札幌弁護団の事務局長がコメントを発表されましたので、併せて掲載します。

★植村 隆さん
私は、韓国カトリック大学校から招聘を受け、来年2016年3月から1年間、招聘教授(VISITING  PROFESSOR)として、同大学で講義を持つことになりました。
週に1~2回の講義で、「日韓交流の歴史」を学生たちと共に学ぶ授業です。

北星学園大学では、留学生向けの国際交流特別講義を担当しておりました。一番多かったのが韓国カトリック大学校からの留学生で、この講義を評価してくださったことが、今回の招聘につながったのだと思います。
ご期待に添えるよう、さらに努力していきたいと考えております。

私は札幌と 東京で、それぞれ名誉毀損の訴訟を起こしておりますので、来年はソウル、札幌、東京を行ったりきたりすることになります。 
したがって、時間的な制約もあり、2012年から続けてきた北星学園大学での非常講師の仕事を続けることができない旨、先日、田村学長へお伝えいたしました。

ご存知のように私への不当なバッシングは北星へも波及し、その攻撃はすさまじいものでした。大学当局は学生を守るため、警備を強化し、たいへんな費用と人員をこの問題のためにあてなければなりませんでした。

私のことで、北星の学生、教職員のみなさんに大きな苦痛やご迷惑をおかけしたことを、本当に心苦しく思っています。
そして、これまでの北星の対応に、大変感謝をしております。こうして新たな一歩を踏み出すことになったのも、北星が私と一緒に闘かってくださったお蔭であり、多くの方たちがこの闘いを支援してくださったからです。
心から御礼を申し上げます。

平和と人権の精神をもつ北星で4年間講義できたことは、私にとって本当に幸いなことでした。今後も協定校の教員として、北星との交流を進めていきたいと思っています。

そして、「捏造記者」というデッチあげに対する私の戦いは今後も、言論の場、法廷の場で続きます。

今後とも屈することなく闘い続けていきます。
これからもよろしくお願いします。

★田村 信一北星学園大学学長
 さる1119(木曜日)、植村氏から、韓国カトリック大学校の招聘教授として招かれ、受諾したため、時間的な制約もあり非常勤講師の仕事を続けることができない旨、報告がありました。

したがって、次年度、植村氏には非常勤講師としてご勤務いただかないことになります。まず、そのことを皆様にご報告いたします。

ご承知のように、昨年3月来、植村氏の雇用をめぐって、学生及び保護者の皆様をはじめ、学内外の多方面の皆様にご心配をおかけしてまいりました。

本学では、民主主義の根幹をなす言論・学問の自由と大学の自治を脅かす不当な攻撃であるとの認識のもと、キリスト教による建学の精神及び歩んできた歴史を踏まえ、社会的責任を果たすべきであるとの観点で、これに対応してまいりました。
このことは今も変わっておりません。

次年度の雇用継続について、新聞報道などがいくつかありました。確かに、様々な問題があり、学内にも多様な意見がありましたので、学長として悩んでいたことは事実です。しかし、植村氏の雇用に関する学内手続き、決定は何もしておりません。この点をご理解いただきたく存じます。

植村講師には、国際交流特別講義が開講されて以来、この科目を担当していただいてきました。これまでのお働きに、この場をお借りして感謝申し上げます

今回のカトリック大学校の招聘は、植村氏の教育力が高く評価された結果と受けとめております。教育者、研究者としての能力をさらに発揮されることを期待いたしております。

また、カトリック大学校は本学の協定校でもありますので、今後とも、例えば、シンポジウムの講師や特別講義など、様々な形でご尽力をお願いしたいと思っております。

本学は、キリスト教による建学の精神及び歩んできた歴史を踏まえ、社会的責任を果すべく、大学の自治、学問の自由を守り、教育・研究、そして地域社会への貢献を今後も続けて参ります。また、本学の経験を検証・総括し、広く社会に問いたいとも思っております。
 これまでご支援くださった皆様に感謝申し上げるとともに、引き続きご支援のほど、よろしくお願い申し上げます。

★植村弁護団事務局長
本日、植村さんが来年3月から韓国のカトリック大学校で勤務することが発表された。

韓国の有数のキリスト大学での勤務が決まったことは、植村さんの新聞記者の実績や北星学園大学での教職員としての資質を高く評価されたためであり、本人の将来的展望に繋がるもので喜ばしいことである。

また、北星学園大学は、植村さんが最も厳しい状況にあった時期に、極めて悪質な脅迫行為に毅然と対応し、植村さんの雇用を継続して大学の自治を守り抜かれたことを、弁護団としても高く評価し敬意を表したい。

今後も大学が植村さんとの繋がりを継続発展されることを期待したい。

植村隆さん(元朝日新聞記者)を応援するサイトです。

1991年に書いた「従軍慰安婦」に関する2本の署名記事。23年後に「捏造」のレッテルを貼られ、植村さんは言論テロとも言える攻撃を受けています。

非常勤講師として勤務する大学へも脅迫状や大量の抗議メール・電話が届き、高校生の娘さんはネット上で「自殺に追い込め」など脅しの言葉にさらされています。 言論で対抗してもデマの拡大は止まりません。

そこで、汚名を晴らし家族らの人権を守り、大学の安全をとり戻すため、2件の名誉棄損裁判を提訴しました。2015年1月、週刊誌で「捏造記者」とコメントした西岡力氏とその発行元を被告に東京地裁へ。同2月、西岡氏の言説を拡大し脅迫を肯定するような記事まで書いた櫻井よしこ氏と掲載した週刊誌などの発行元3社を被告に札幌地裁へ。

「植村応援隊」はこの裁判や植村さんの言論活動を応援するために、1月30日に結成されました。ぜひ一緒に応援してください。