2015年5月1日金曜日

ジャパンタイムズが東京訴訟記者会見をとりあげました

2015/04/29Japan Times

脅迫が悪化
「慰安婦」報じた元朝日新聞記者明らかに
ジャパン・タイムズ 2015年4月29日2面
(写真つき、写真は共同)

カワバタ・タイ(川畑泰)記者

 「いわゆる『慰安婦』」を報じた記事で、長年にわたり個人攻撃を受けてきた元朝日新聞記者が、自分への脅迫は悪化していると語った。

 植村隆氏は、自分自身と講師を務める北星学園大学への攻撃が、17歳の娘が殺害の脅迫を受けるまでにエスカレートしていると述べた。娘の母親は韓国人。

 2月初めに大学学長が受け取った脅迫状には、「彼(植村氏)の娘を確実に殺す。彼女を何年かかっても殺す。どんなことをしても殺す」と書かれていた。

 植村氏は「現在起きていることは悲しい」と語った。「私の記事が出たのは24年前。娘はいま17歳で、記事とは何の関係もない。生まれてさえいなかった‥‥。私と家族、大学への攻撃が止まる兆しはない」

 植村氏は今年1月、東京基督教大の教授である西岡力氏と週刊文春の出版元文藝春秋社を相手取り、1650万円の名誉毀損訴訟を起こした。植村氏が提訴したのは、1991年8月11日に慰安婦(第2次大戦の戦前から戦中にかけて日本軍の売春宿で働かされた人々についての婉曲的な呼び名である)についての記事を捏造した、とする記事を掲載したからである。

 植村氏は27日、東京地裁で開かれた第1回口頭弁論後の記者会見で語った。

 植村氏は、西岡氏が彼に対する批判が理性的な限界を超えていたゆえに、自分は裁判に頼るしかなかった、と語った。

 植村氏によると、西岡氏の文章で植村氏は「日本の評判をおとしめ続けている私の敵」と描かれている。

 「西岡氏が私を敵と同一視するなら、自由な言論の場で議論を交わしたり反論したりする方法は働かない。だから私は法廷で落ち着いた議論をしたい」

 問題になっている記事は、韓国の団体が提供した録音テープに基づく女子挺身隊(Women's Volunteer Corps:女性志願者部隊)を扱ったもの。日本帝国陸軍への性提供を強制されたことを名乗りでた最初の韓国人女性による証言で、日本の新聞は慰安婦についての最初の報告だった。

 この記事に続いて1991年12月25日に別の記事が出て、その中で植村氏は弁護士グループが件の女性である金学順さんに行ったインタビューを報告した。

 昨年2月6日号の週刊文春は、西岡氏が植村氏が「記事を捏造した」とする談話を引用しているが、それは植村氏の記事が問題の女性が女子挺身隊のメンバーとして軍の慰安所に連れて行かれたと書かれており、この記事により、女性が「強制的に連行された」という印象を与えたからだとしている。

 西岡氏はまた、植村氏の記事が、韓国の戦争犠牲者の団体の指導者である韓国人の義母を助ける目的があったと非難している。

 昨年12月、朝日新聞が設立した第三者委員会は、記事は彼の親族を援助するために事実をゆがめていないと結論づけた。しかしながら、記事が女性は「強制的に連れて行かれた」という印象を与えた、ともした。

 植村氏は「強制的に連行された」という表現は記事に使われていないし、競争紙である産経新聞でさえ、そのフレーズは使ってきたと語っている。

「なぜ私だけが攻撃の対象になるのか」と、植村氏は語った。「私は記事を捏造していない」



注:記事の日本語訳は、植村裁判支援チームによる
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植村隆さん(元朝日新聞記者)を応援するサイトです。

1991年に書いた「従軍慰安婦」に関する2本の署名記事。23年後に「捏造」のレッテルを貼られ、植村さんは言論テロとも言える攻撃を受けています。

非常勤講師として勤務する大学へも脅迫状や大量の抗議メール・電話が届き、高校生の娘さんはネット上で「自殺に追い込め」など脅しの言葉にさらされています。 言論で対抗してもデマの拡大は止まりません。

そこで、汚名を晴らし家族らの人権を守り、大学の安全をとり戻すため、2件の名誉棄損裁判を提訴しました。2015年1月、週刊誌で「捏造記者」とコメントした西岡力氏とその発行元を被告に東京地裁へ。同2月、西岡氏の言説を拡大し脅迫を肯定するような記事まで書いた櫻井よしこ氏と掲載した週刊誌などの発行元3社を被告に札幌地裁へ。

「植村応援隊」はこの裁判や植村さんの言論活動を応援するために、1月30日に結成されました。ぜひ一緒に応援してください。